「虫が苦手なお客様に大切なご案内です」

雪国の秋といえば「カメムシ」が建物に飛来してきます。（水がキレイな森の中がカメムシの住処とか）
害といえばイタズラに触ると強烈なパクチーのような匂いが・・・（それだけ?といえばそれだけですが）
森の中では越冬のために木の隙間に入りますが、山に隣接する当館はカメムシが多く飛来し、わずかな隙間から館内に入り込もうとします。対策としては初秋に、窓枠に専門業者による忌避剤を塗布し毎日の掃除でチェックし除去していますが完全には防げないことに毎年、頭を悩ませています。
 
それゆえ、虫が苦手なお客様には向いていない宿であることを、正直に申し上げます、、、（涙）
ただカメムシが現れた際はスタッフが懸命に除去に客室にお伺いしていますが、それも含めご理解いただきご来館頂ければ幸いです。
 
カメムシは当然、当館の歴史より長くこの地でひっそりと生き続けています。当館に秋、長期滞在した文豪はどのようにこのカメムシを小説に書いたのか興味ある方は以下に記載いたします。
「秋が冷えるにつれて、彼の部屋の畳の上で死んでゆく虫も日毎にあったのだ。
翼の堅い虫（カメムシ）はひっくり返るともう起き直れなかった…。
季節の移るように自然と亡びてゆく、静かな死であったけれでも
近づいて見ると脚や触覚を震わせて悶えているのだった。
それらの小さい死の場所として
八畳の畳はたいへん広いもののように眺められた。」
川端が抱く「自然」に対する畏敬の念の中に存在する「男」と「女」の関わりと自然の象徴として描写される昆虫、植物などが小説「雪国」の中で表現されています。当館で感じた自然現象、森羅万象、人間感情をも含め「美」を表す言葉として表現していました。